アデニウムの育て方

アデニウムの育て方

ぷくぷくと膨らんだ太い幹、なんとも特徴的な姿のこの植物はアデニウムという名前です。塊根(かいこん)植物というジャンルの観葉植物で少しずつ幹を太らせながら盆栽のように10年20年と長く育てることができます。生活を彩るパートナーにもおすすめです。

ここではアデニウムの特徴を紹介するとともに、この植物に合った適切な管理について解説していきます。きっと健やかに育てらるでしょう。

原産地

アデニウムの原産地は主にアフリカからアラビア半島近辺。年間を通して高い気温と雨の少ない地域です。厳しい気候ですが生育の環境が整い、株がある程度大きくなることで花を咲かせるようになります。荒れた大地に目立つ花をつけることから「砂漠のバラ」の異名を持ち合わせています。

こうした気候に適応して生育するため、アデニウムは他の植物には珍しい特徴”膨らんだ姿”をしています。たくましい胴体には強い日差しや乾燥した高温、少ない雨でも生き延びるための水分をたっぷり蓄えています。そのため私たちが育てるときには低温を避け、水の与えすぎに注意することがポイントです。

日当たり

アデニウムの生育には十分な光が欠かせません。日照不足では弱々しい株になってしまい、茎が細く伸びたような姿に徒長してしまいます。特徴的な膨らみある姿に仕立てるためには明るい窓辺やベランダで管理するとよいでしょう。

日当たりが大切なアデニウムの仲間ですが、それでも真夏の直射日光のように日差しが強すぎると葉が焼けてしまうこともあります。強すぎる日差しはレースのカーテンなどで和らげると良いでしょう。また室内で長く管理していた観葉植物を強い紫外線の光に当てると、真夏でなくても葉の色が薄くなってしまうことがあります。日当たりの環境を大きく変える場合には少しずつ光に当てる時間を増やし、慣らすようにします。

水やり

日本の気候では初夏から秋のはじめにかけてが生育期になり、この間は土が乾いたらたっぷりと水やりをします。土が乾いたことが確認しにくい場合には、鉢を持ち上げたり触ったりして”軽くなったかな?”と感じてみてください。水分計(水やりチェッカー)を使うのも良い方法です。

生育期の水やりは鉢底から余分な水が流れ出るくらい、しっかり与えます。根を痛める原因にもなるため、溢れた水は受け皿に溜まったままにせず捨てるようにします。慣れないうちはベランダや軒下で与え、水が切れたらお皿に戻すと良いでしょう。

気温が低くなると葉を落とし、冬には葉が全くない状態(休眠)での越冬になります。秋頃からは湿らせる程度の水やりを、葉が全て落ちた後は水やりは必要ありません。春以降、暖かくなり芽吹いたら、再び少しずつ水を与えるようにします。

過酷な環境で生き延びるために太い幹にはたっぷり水分を蓄えています。この中の水分が薄まると耐寒性が落ちてしまうため、気温の下がる秋と春は控えめな水やりを心掛ける事が失敗を避けるポイントになります。

温度

温暖な地域の出身のため比較的寒さは苦手です。出来るだけ10℃以上を保つのが理想ですが、管理の仕方や株の大きさによっては5℃くらいまでと言われています。窓辺で管理している場合には冬の夜間だけは寒くない場所へ移動させましょう。

夏は35℃を超えると植物にも苦しい状態となります。特に日本の環境では湿気で蒸さると弱ってしまうため、風通しの良い環境となるよう心掛け、真夏の日中は水やりを控えます。

肥料

市販の観葉植物用の肥料を必要に応じて与えます。使用する場合は春から秋、生育の環境がよい時期にしましょう。気温の下がる期間は根を傷める原因になるため使用を控えます。量は肥料の商品の説明通りか、薄めでも大丈夫です。

特にアデニウムは厳しい環境の地域が原産地の植物です。肥料は必ず与えなければならないというわけではありません。早く大きく育てたい場合や、長く植え替えをしないでいて土の栄養が少なくなってきたときに補ったりなど、必要を感じたら使用します。

植え替え・剪定

アデニウムは剪定を繰り返すことで少しずつ株が膨らみ、徐々に大きく生長します。枝が不自然に伸びすぎてしまった場合、または混みあいすぎた部分が気になる場合は不要なものを切り落とします。時期は初夏以降、生育の期間に行い、一度にすべての葉を無くしてしまわないように。姿を整えるとともに、株が膨らむのを促します。

切り取るときには衛生的なハサミを使用し、厚い葉の切り口から雑菌が繁殖しないよう、断面は風通し良く管理するとよいでしょう。また切り口からこぼれる樹液は毒性があるため、出来るだけ触れないようにします。

植木鉢で植物を育てていると、やがて根の伸びるスペースがなくなり鉢に根が詰まってしまいます。根詰まりですぐに枯れてしまうことはありませんが、旺盛な生育のためには植え替えを検討します。鉢の大きさや生育環境にもよりますが1~2年が目安です。植え替えの適期は春~初秋、特に古い根を整理する場合には夏までに済ませるのが理想です。

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