
ガジュマルの育て方
がっしりした太い幹とツヤのある葉っぱが特徴のガジュマル。見た目からもパワフルさを感じられるように生命力が強くとても育てやすい植物です。沖縄ではキジムナーという精霊が宿るとも言われており、特別な存在であったことが伺えますね。
ここではガジュマルの特徴を紹介するとともに、この植物に合った適切な管理について解説していきます。きっと健やかに育てらるでしょう。

原産地
ガジュマルの原産は台湾、インド、中国南部など、日本では沖縄周辺の地域です。熱帯~亜熱帯の暖かい地域が生まれ故郷の植物になります。
ガジュマルの故郷にあたる地域では、温暖な気候でたっぷりと日差しをあびられるばかりでなく、時には強い雨や台風にも見舞われる地域です。そのためガジュマルも暖かい環境で力強く育ち、その期間にはしっかりと水やりを行います。

日当たり
ガジュマルは耐陰性があり屋内でも育てられます。それでもやっぱり、力強い生長には明るい光が欠かせません。日中のうち半分くらい、やわらかい日差しを浴びられるのが理想です。
とはいえ真夏の直射日光のように日差しが強すぎると葉が焼けてしまいます。明るい林の木漏れ日が差すような場所が本来の環境ですから、レースのカーテン超しくらいが目安です。普段は日の当たらない場所にしか置けない場合には、週に1,2日だけでも適度な日光浴をさせてあげると良いでしょう。
ガジュマルに限らず、室内で長く管理していた観葉植物を強い紫外線の光に当てると、真夏でなくても葉の色が薄くなってしまうことがあります。日当たりの環境を大きく変える場合には少しずつ光に当てる時間を増やし、慣らすようにします。

水やり
日本の気候では春から秋にかけてが生育期になり、この間は土が乾いたらたっぷりと水やりをします。土が乾いたことが確認しにくい場合には、鉢を持ち上げたり触ったりして”軽くなったかな?”と感じてみてください。
水やりをする場合には鉢底から余分な水が流れ出るくらい、しっかり与えます。根を痛める原因にもなるため、溢れた水は受け皿に溜まったままにせず捨てるようにします。慣れないうちはベランダや軒下で与え、水が切れたらお皿に戻すと良いでしょう。
気温が低くなる冬はほとんど生長しません。土が乾いて、さらに2,3日後に水を与えます。特に寒い日や夜間・早朝の水やりは避けるのが無難です。
葉が厚いこと、幹が太いことからイメージできるように水分を貯えるのは得意な植物です。それでも冬場など空気が乾燥しすぎる場合には、霧吹きで葉に水を吹きかける「葉水(はみず)」をしてやると良いでしょう。

温度
温暖な地域の出身ですが比較的寒さには強く、5℃以上が越冬の目安です。窓辺で管理している場合には冬の夜間だけは寒くない場所へ移動させましょう。
夏は35度を超えると植物にも苦しい状態となります。湿気で蒸さると弱ってしまうため、風通しの良い環境となるよう心掛け、真夏の日中は水やりを控えます。

肥料
市販の観葉植物用の肥料を必要に応じて与えます。使用する場合は春と秋、生育の環境がよい時期にしましょう。気温の低い冬や暑い真夏は生育も穏やかですから、このタイミングでは逆に根を傷める原因になるため使用を控えます。量は肥料の商品の説明通りか、薄めでも大丈夫です。
観葉植物は花壇のお花や畑の野菜などと比べて生長は穏やかで、肥料は必ず与えなければならないというわけではありません。早く大きく育てたい場合や、長く植え替えをしないでいて土の栄養が少なくなってきたときに補ったりなど、必要を感じたら使用します。

植え替え・剪定
生長して葉の枚数が増えるとともに、枝が長く伸びすぎたり混み合ったりすることがあります。その際に密集しすぎたところの風通しを良くするよう、余分な葉、枝を切り落とします。また明るさが足りない環境で育てると細い枝が長く飛び出してバランスが悪くなってしまいます。間延びした枝は剪定して姿を整えましょう。
少しの枝葉を取り払う程度であれば、真冬を除き適宜作業をして大丈夫です。太い枝を切ったりほとんど葉を残さないような強剪定は春~初秋に行います。
植木鉢で植物を育てていると、やがて根の伸びるスペースがなくなり鉢に根が詰まってしまいます。根詰まりですぐに枯れてしまうことはありませんが、旺盛な生育のためには植え替えを検討します。鉢の大きさや生育環境にもよりますが1~2年が目安です。
植え替えの適期は春~初秋です。特に古い根を整理する場合には寒い時期を避けます。根鉢をくずさず鉢を一回り大きくする場合には、健康な状態であれば真冬を除きおおむね大丈夫です。