エバーフレッシュの育て方
その涼しげな印象で近ごろ特に人気の「エバーフレッシュ」。やさしい枝ぶりと小さな葉っぱは、外観だけでなく夜に葉を閉じる就眠運動をする点でも特徴的です。暗くなればひっそり葉を閉じ、朝にはいつの間にか葉を開かせている様子からは”生き物らしさ”が感じられます。
またタンポポの綿毛にも似た花を咲かせた後にはインゲン豆のような実をつけることも。エバーフレッシュは日本のネムノキと同じマメ科の植物です。名前は初耳でもこの姿に見覚えのある方は多いのでは?
ここではエバーフレッシュの特徴を紹介するとともに、この植物に合った適切な管理について解説していきます。きっと健やかに育てらるでしょう。
原産地
エバーフレッシュは熱帯アメリカ地域が原産地です。温かい地域を故郷とする植物のため、寒さにはあまり強くありません。また小さく薄い葉は乾燥と強い直射日光が苦手です。そのため日本では夏の強い日差しや冬の寒さを避けて室内で育てるのに向いています。
気温の高くなる春から秋にかけては明るい窓辺でよく生長し、寒い冬にはじっと耐えるイメージです。室内で育てているとエアコンによって空気が乾燥しがちですから、こまめに霧吹きで葉水をして潤いを与えてあげると良いでしょう。
日当たり
エバーフレッシュは日当たりのよい環境を好みます。窓辺など出来るだけ明るい場所で管理することが望ましいです。日中のうち半分くらいはやわらかい日差しを浴びられるのが理想です。
日当たりで気を付けたいのは強すぎる日差しです。直射日光ではエバーフレッシュの繊細な葉にとっては日差しが強すぎてしまいます。葉が焼けてしまわないよう、レースのカーテン超しにするなど光を和らげる必要があります。
エバーフレッシュは環境の変化に敏感な植物です。管理場所が頻繁に変わることがストレスになり葉を落としてしまうこともあります。あちこち部屋を変えるのではなく、決まった場所で慣れさせるようにします。
水やり
生育期となる春から秋にかけては土が乾いたらたっぷりと水やりをします。土が乾いたことが確認しにくい場合には、鉢を持ち上げたり触ったりして”軽くなったかな?”と感じてみてください。水が完全に切れてしまうと昼間でも葉を閉じるため見た目にも分かりやすいですが、そうなる直前が水やりのタイミングです。慣れないうちは水分計(水やりチェッカー)を使うのも良い方法です。
水やりの際には鉢底から余分な水が流れ出るくらい、しっかり与えます。根を痛める原因にもなるため、溢れた水は受け皿に溜まったままにせず捨てるようにします。慣れないうちはベランダや軒下で与え、水が切れたらお皿に戻すと良いでしょう。
薄い葉の植物は水切れのダメージを大きく受けてしまいがちです。エバーフレッシュも例外ではありません。水の切れた時間が長くなるとすぐに葉を落としてしまうため、特に水揚げのよい夏の期間は特に水切れに気を付けます。
温度
四季のある気候の場所の植物ですから、暑さ寒さには比較的耐えることができます。耐寒温度は5℃以上といわれていますが、きれいな姿を保つためには10℃以上が目安となります。室内でも冬の夜間だけは窓辺を避け、寒くない場所へ移動させましょう。
夏は35度を超えると植物にも苦しい状態となります。湿気で蒸さると弱ってしまうため、風通しの良い環境となるよう心掛け、真夏の日中は水やりを控えます。
肥料
市販の観葉植物用の肥料を必要に応じて与えます。使用する場合は春と秋、生育の環境がよい時期にしましょう。気温の低い冬や暑い真夏は生育も穏やかですから、このタイミングでは逆に根を傷める原因になるため使用を控えます。量は肥料の商品の説明通りか、薄めでも大丈夫です。
観葉植物は花壇のお花や畑の野菜などと比べて生長は穏やかで、肥料は必ず与えなければならないというわけではありません。早く大きく育てたい場合や、長く植え替えをしないでいて土の栄養が少なくなってきたときに補うなど、必要を感じたら使用します。
植え替え・剪定
生長とともに枝が長く伸びすぎたり混み合ったりすることがあります。その際に密集しすぎたところの風通しを良くするよう、余分な葉、枝を切り落とします。また明るさが足りない環境で育てると細い枝が長く飛び出してバランスが悪くなってしまいます。間延びした枝は剪定して姿を整えましょう。
少しの枝葉を取り払う程度であれば、真冬を除き適宜作業をして大丈夫です。根元近くから切ったり全体の姿が大きく変わるような強剪定は春~初夏に行います。
植木鉢で植物を育てていると、やがて根の伸びるスペースがなくなり鉢に根が詰まってしまいます。根詰まりですぐに枯れてしまうことはありませんが、旺盛な生育のためには植え替えを検討します。鉢の大きさや生育環境にもよりますが1~2年が目安です。
エバーフレッシュは生長が早いため、細長く伸長しがちです。がっしりした幹にしたい、枝の数を増やしたい場合には適宜に剪定をする必要があります。剪定により脇芽がつくことを促し、幹も徐々にたくましい姿へと育てることができます。