
フィカス・ウンベラータの育て方
フィカス・ウンベラータはハート形の丸い大きな葉っぱを持つおしゃれな観葉植物です。見た目だけでなく生育旺盛で室内でも育てやすいことから、初めて植物を育てる方にもおすすめの種類になります。
ここではフィカス・ウンベラータの特徴を紹介するとともに、この植物に合った適切な管理について解説していきます。きっと健やかに育てらるでしょう。

原産地
フィカス・ウンベラータは熱帯アフリカが原産地です。温かい地域が本来の生育場所ですから、日本では春~秋にかけてが生長期で寒い冬にはじっと耐える生活サイクルとなります。
暖かい期間は生育旺盛で次々を葉を茂らせ、その様子から名前の由来も「傘:アンブレラumbrella」に由来するのだとか。たくさんの大きな葉を広げますがその一枚は薄く、強い日差しは苦手です。そのため年間を通して室内で育てる観葉植物になります。

日当たり
フィカス・ウンベラータは明るい環境を好みます。十分な明るさがあればすくすくと良く育ちますが、ハート形の大きな葉は薄手で強い光が苦手です。夏の日差しや西日が差し込むようなカーテンのない窓辺は避けましょう。
耐陰性があるため窓のない場所でも蛍光灯があるお部屋であればお迎えしやすい植物です。とは光が足りないと弱ってしまったり間延びした姿になってしまいます。読書ができるくらいを目安に、暗くなりすぎないよう気を付けます。
ウンベラータに限らず、室内で長く管理していた観葉植物を強い紫外線の光に当てると、真夏でなくても葉の色が薄くなってしまうことがあります。日当たりの環境を大きく変える場合には少しずつ光に当てる時間を増やし、慣らすようにします。

水やり
生育期となる春から秋にかけては土が乾いたらたっぷりと水やりをします。土が乾いたことが確認しにくい場合には、鉢を持ち上げたり触ったりして”軽くなったかな?”と感じてみてください。水分計(水やりチェッカー)を使うのも良い方法です。
水やりをする際には鉢底から余分な水が流れ出るくらい、しっかり与えます。根を痛める原因にもなるため、溢れた水は受け皿に溜まったままにせず捨てるようにします。慣れないうちはベランダや軒下で与え、水が切れたらお皿に戻すと良いでしょう。
また葉の薄いフィカス・ウンベラータは空気の乾燥が苦手です。エアコンを使用する室内など、乾燥しがちな環境では霧吹きで葉に潤いを与えることで生き生きとします。病害虫の予防にもなるため、積極的に葉水をするよう心掛けます。

温度
暖かい地域出身のため、夏の暑さよりも冬場の寒さが苦手です。きれいな姿を保つためには10℃以上が目安となります。室内でも夜間は窓辺を避け、できるだけ寒くない場所へ移動させましょう。また気温の低い間は水やりを控えると耐寒性が高まります。真冬の間は土が乾いてから更に1,2日待ち、湿らせるような水やりを行います。
夏は35度を超えると植物にも苦しい状態となります。湿気で蒸さると弱ってしまうため、風通しの良い環境となるよう心掛け、真夏の日中は水やりを控えます。

肥料
市販の観葉植物用の肥料を必要に応じて与えます。使用する場合は春と秋、生育の環境がよい時期にしましょう。気温の低い冬や暑い真夏は生育も穏やかですから、このタイミングでは逆に根を傷める原因になるため使用を控えます。量は肥料の商品の説明通りか、薄めでも大丈夫です。
観葉植物は花壇のお花や畑の野菜などと比べて生長は穏やかで、肥料は必ず与えなければならないというわけではありません。早く大きく育てたい場合や、長く植え替えをしないでいて土の栄養が少なくなってきたときに補うなど、必要を感じたら使用します。

植え替え・剪定
生育旺盛なフィカス・ウンベラータは、時に剪定が必要となる場合があります。大きくなりすぎた、伸びすぎて不格好に見える、と感じたら伸びた枝を切りおとして姿を整えます。健康な状態であればすぐに脇芽が出てくるので、初めてでも心配せずに挑戦してみましょう。
また植木鉢で植物を育てていると、やがて根の伸びるスペースがなくなり鉢に根が詰まってしまいます。根詰まりですぐに枯れてしまうことはありませんが、旺盛な生育のためには植え替えを検討します。鉢の大きさや生育環境にもよりますが1~2年が目安です。
植え替え、剪定とも適期は春~初秋です。植物にとって過ごしやすい生育期に行うことで負担を減らします。切り口は風通し良くして早めに乾燥させ、雑菌の繁殖を防ぐようにします。
フィカスはゴムの木の仲間です。そのため選定などの切り口から白い樹液が出てきます。この樹液に毒はありませんが、体質によってはかぶれの原因にもなるためそっと拭き取りましょう。